昨日、受付を済ませてから判ったんですが
この
三沢オートキャンプ場、
朝7時以降でないとバイク、車のエンジン始動禁止・・・
「それなら入口までバイクを押して退場しますから」と管理人さんに伝えておりましたが
サイトから入口まで
微妙な上り坂で約500m
朝から一汗掻くよりも、おとなしく
ナメクジの足跡が残ったテントを
時間ギリギリまで乾燥させるのを選択
コーヒーをもう1杯淹れて地図でルートの確認したりしながらのんびり撤収
そして7時になると同時にエンジン始動、キャンプ場を出発です
R338へ出て八戸市方面へ
途中からR45へ入り三陸海岸線の南下開始
今回の東北ツーリングで
本州最東端のトドヶ崎を目指すと云う事は
「2011 東日本大震災での津波被災地」へ脚を踏み入れる事と為ります
(ここからは面倒臭いオヤジの気持ちなのでスルー推奨デス)
3月11日から毎日、テレビに映し出される津波にのみ込まれていく街の映像
地震後、流れ続けていたあの場面を見ているうちに鬱状態に陥りました
テレビ画面の先で今まさに津波に呑まれる瞬間の車や家屋
「逃げてくれ!」と心の中で叫びつつもどうする事も出来ない歯痒さ、無力感
自然の力は強大で人間の無力さは十分承知しているつもりでしたが
あの映像は余りにも惨く恐ろしいものでした
その後一ヶ月程で自分の周りの生活や仕事は徐々に以前と同じ様に戻りつつありましたが
心に空いた大きな黒い穴は埋まる事無くそのまま居続けました・・・
その頃からですね
「もう一度バイクに乗って日本中を観ておきたい」と強く感じ始め
結婚当初の約束でした「バイクからは降りる」を撤回
こつこつと準備を進めながら、沢山の方々と知り合うきっかけとなった6月のイベントキャンプ
その後すぐにバイクを購入、実際にキャンプツーリングへと走り出し
そこからまた新たに拡がって行った様々なキャンツーライダーさん達との出会い
日々が流れ、まだ訪れた事の無い場所へ出向く楽しみを覚えましたが
やはりあの日の凄まじい映像は心に焼き付いたまま未だに残っています
「あの」現場へ出向き現実を目の当たりにするのは恐ろしいと思う反面
今、直に見ておかなければ今後も前に進めず心に空いた真っ黒い穴はそのまま残り
ただ現実から眼を背けて忘れた振りをしても何も変わらない
しかも遠い世界の出来事では無く自分の住む東海地区でも起こる可能性が非常に大きい
決して他人事では無い出来事なんだ
などと、昨年頃から気持ちを奮い立たせるぐらいまで少しづつですが心を持ち直し
今回、漸く被災地まで訪れる事ができました
自分自身の眼で現実に起こった大災害を「見て」「感じて」から
そこから「私自身の次の1歩」が踏み出せる事になるのでは?
との思いも含んでの2013夏 東北ツーリングです
(長々と申し訳ゴザイマセン)
R45を南下するも今話題沸騰の久慈市はスルー
普段テレビを観ないので全く気が付きませんでしたね・・・
(じぇじぇじぇ~!位は聞いた事アリマスガ)
此処まで所々、津波到達地点の標識が点在していましたが
決壊した堤防等の再建現場が目に付くぐらいでした
陸中野田で休憩
ヘルメットを脱ぐと何やら美味しそうな匂いが立ち昇っています
匂いの元はこれ にんにく味噌焼き田楽
空いた小腹に美味しく染み渡りましたね
此処を出てすぐに海岸沿い近くを走るルートになると
やはり津波被害の爪痕が徐々に目に入りだします
一旦海岸線から逸れて山間に国道が入った辺りで見つけた
鵜の巣断崖の標識
聞いた事の有る名前だな?って思い寄り道を
駐車場にバイクを停めて整備された遊歩道を10分程歩き
突然、海岸線へ突き出す様な展望台
其処からの眺めが
正しく断崖
こんな場所に鵜は生息するのか~
この写真、高所恐怖症のオヤジが屁っ放り腰で撮影してますので見切れはご容赦
此処であまりのんびりと時間も費やせないので先へと進みます
再び国道へ戻り、少し走ると田老町
この辺りから津波の無残な爪痕が今もなお沢山残っていました
正に息を呑むような光景でカメラのシャッターを押す事が出来ず
奇しくも
Out Rider 8月号で三陸特集が組まれており
誌面に掲載されている映像と同じ場面が実際に目の前に在りました
写真で想像はしていましたが、現場で直に見る光景は全く別物・・・
重い気持ちになりながらも宮古へ到着
時間は昼前、今からならトドヶ崎へのアタックは十分可能と判断
先に到達証明書を発行してもらいに浄土ヶ浜パークホテルへ
こちらのホテル内売店で購入可能
順番が後先ですがトドヶ崎から戻ってくる時間節約の為、止む無しデス
これで途中で引き返せなくなりましたね
他府県ナンバーの車が渋滞、観光レジャー客も戻って来ている模様で
海水浴客らしい車でごった返している駐車場を出ていざトドヶ崎へ
その前にお昼ご飯をと思いますが
満腹での2時間山歩きはキツイだろうと
宮古市内のコンビニでおにぎり2個の軽い昼食
水分補給用のお茶も購入して準備万端、最東端へと向かいます
R45からK41へ入ると段々道幅が狭くなり曲がりくねった山道に様変わり
時折現れる小さな集落を幾つも越えてやっと姉吉地区へ
下りながら海岸へ出ると小さな入り江になっています
バイクを広場に止めて是よりトドヶ崎へアタック開始です
やはり情報通りに
「熊目撃注意!」の看板
100均で用意した熊除け用の鈴もぶら下げ
PM12:37 登頂開始
(実際には駐車場で戻られた方とお話ししていたので40分過ぎですが)
最初の昇り区間がやはりキツイ~
600m位でしょうが一気に汗が吹き出します
駐車場がみるみる小さくなっていきました
この手前に「2011津波到達地点」の標識が在り
改めてあの津波の凄まじさを思い知らされました
此処を過ぎると緩やかなアップダウンが続く道へと変わります
この日は気温も余り上がらず30℃程で助けられましたね
と、道の隅に今まで見た事の無い黒いべっとりとした排泄物が・・・
木の幹にも引っ掻き傷が有り、確かに熊が生息している模様デス
鈴を手で降り大きな音を立てながら立ち止まらずにその場を通過
中々減らない「トドヶ崎迄〇〇km」の標識を幾つも観ながら進んで行きます
途中、10人ほど擦れ違いましたが熊除け鈴を持っていたのは1人だけでした
で歩く事、約45分で到着です
三脚は置いて来ましたが家族連れの方がお見えになりシャッターをお願い
本州の一番東から見える太平洋を眺めます
此処からトドヶ崎灯台に移動
この場所が映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台(原作)と為った場所
自然と
「俺ら岬の~、灯台守は~♪・・・・・・」と口遊みマス
(オッサン、一体歳幾つやネン!)
本州4端踏破ラリーの存在を知ったのが昨年10月に行った角島ツーリングの直後
まず身近な潮岬を始めに(昨年12月と今年6月にはキャンツーで再訪)
GWに毘沙ノ鼻、そして今回東北の2端制覇
慌ただしくも思い出深いツーリングが走馬灯のように瞼を過ぎります
まさか1年足らずの内に4端制覇を成し遂げるとは自分自身が驚きですね!
写真を撮り終えた後は、また来た道を戻らねば為りません
相変わらず鈴を派手に鳴らしながら戻って行くと
「キぇ~ッ!」「ワ~っ!」と子供の声が遠くから聞こえてきます
何だろ?と思いつつ歩いて行くと虫取り網を持った地元の中学生男女3人
熊除け鈴の代わりに声で威嚇しているそうです!
(やはりヤツは居るんですね・・・)
最後の急坂下り終え、PM2:16 駐車場に到着
一番の難所を攻略した後の脱力感に襲われつつありますがまだまだ長旅の途中
とりあえず今夜の幕営地を決めなければ・・・
計画時点で目星を付けていた
「種山高原星の降る森」まで
この時間なら無理なく駒を進めれそうと判断
時間節約の為、K45を釜石方面へ抜けて行きます
再びR45へ合流、大槌町へ入り津波の爪痕を又もや目の当たりに
映像で何度も観ていたフェンスが津波の力で丸まってしまった高架橋
暫し呆然と眺めた後、少し離れた場所でスーパーマーケットを発見
こちらで買出し&キャンプ場へ電話を済ませます
港に近いスーパーマーケットはお盆休みと云う事もあり
店内には帰省した家族をもてなす為の食材を買い求める客で活気が溢れていました
これだけの被害を受けながらも東北は前に向かって少しづつ歩き始めているんだ
そう思えた時、少し勇気を分けて戴いたような気持ちになれました
三陸と云えば海の幸
美味しそうな寿司と惣菜、ビールを買い込み後はキャンプ場へ
釜石から遠野へ向かうR283へ入った後、考え事をしていて痛恨のルートミス
仙人峠道路へ入れば良いのを旧道の峠越えへ
ま~、これも旅には付き物と思ってそのまま西進
その先でも反対の遠野市街へ走ってかなりの遠回りしてキャンプ場に到着
既に日没時間を過ぎており慌てて受付、設営、お風呂を済ませた頃には真っ暗でした
今夜は薄曇りで折角の星空も期待できそうにありません
ビールを呑みながら一人で寿司を摘まみます
キャンプ場内はキャンツーライダーも何人か幕営されていましたが
今夜は余り関わる気力が起きませんでした
やはり被災地を直に見た後では致し方ないですね・・・
明日はもっと被害の大きかった「陸前高田」と「気仙沼」から廻ります
この先、より壮絶な光景が待ち受けていると思うと
このまま内陸部へとルートを逸れてしまいたくなる気持ちを押さえながら
一人しみじみと酒を呑んで夜は更けて往きました
本日の走行距離 392.9km(内高速利用 0km)
より大きな地図で 2013夏 東北ツーリング4日目 を表示
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